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夜明けまでのセレナーデ
第5章 裏窓〜禁じられた恋の唄〜

…それから数日、瑞葉は意識を失ったままこんこんと眠り続けた。
病室には、あの若い男…憲兵隊将校だと言う速水が片時も離れずに付き添っていた。
その姿は、もはや恋人と思わせるのに充分なほどの愛情と献身を感じさせた。
「…どういうことなんだ⁈
訳が分からない!」
警察からの火事の実況見分報告書を読み終えた紳一郎が声を上げた。
書類を受け取った薫も眼を走らせ…絶句した。
「…これは…!」
…捜索の結果、塔の火災跡から八雲の遺体は出てこなかった。
遺体の一部はおろか、所持品も何ひとつ…。
瑞葉が刺したという銀細工の短刀すらも…。
瑞葉や速水の話が幻想なのではないかと疑われるほどに…。
…八雲の存在した欠片すら、そこには跡形もなく残ってはいなかったのだ。
病室には、あの若い男…憲兵隊将校だと言う速水が片時も離れずに付き添っていた。
その姿は、もはや恋人と思わせるのに充分なほどの愛情と献身を感じさせた。
「…どういうことなんだ⁈
訳が分からない!」
警察からの火事の実況見分報告書を読み終えた紳一郎が声を上げた。
書類を受け取った薫も眼を走らせ…絶句した。
「…これは…!」
…捜索の結果、塔の火災跡から八雲の遺体は出てこなかった。
遺体の一部はおろか、所持品も何ひとつ…。
瑞葉が刺したという銀細工の短刀すらも…。
瑞葉や速水の話が幻想なのではないかと疑われるほどに…。
…八雲の存在した欠片すら、そこには跡形もなく残ってはいなかったのだ。
 

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