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官能小説 朗読します!
第9章 リアル 2
「西崎チューター~。お願いしまぁ~す。」

チューター室の入口で、タクマに呼ばれる。
大教室での授業が終わると、コピーを頼みに来たり、学習相談に来たりする予備校生で、入口付近はごった返す。

私もその喧騒に紛れてタクマの呼び出しに応じる。さも相談を持ちかけている風を装い、タクマが小さな声で私をなじる。

「西崎チューター、いや、玲子さん、酷いよ。あんな中途半端なところで話が終わっちゃったらオカズにならないじゃん。」

「しっ!......約束は守ったわよ。小説の中ではちゃんと大学合格させてあげたんだから、モデルのタクマ君も絶対合格してよ。」

「このままじゃ、続きが気になって勉強に集中できない!玲子さんのせいだ。」

私は、深くため息をつく。。。

「まだ私を脅すの?」
「人聞き悪いな。脅しじゃないよ、お願いに来たんだ。せめてちゃんとえっちし終わるところまでは書いて。」
「なら、次の目標は?それ次第ね。」
「ズルイな、玲子さん。わかった。次の模試でW 大学合格判定でB 以上取る。それなら、いい?」

私より遥かに背の高いタクマが、膝を曲げて目線を合わせ、私に懇願する。

「......いいわ。やれるものならね。今までC判定しか出してないでしょう?」

「おっし。商談成立!見てろよ。」

見違えるように、とはいかないものの、タクマは確かに真面目に受験勉強に取り組むようになってきた。もともとムラがあるだけで力はある生徒なので、やればやっただけ結果はついてくる。

もしかしたら、本当にB判定が出るかもしれない。それならそれでいいか。タクマをモデルに小説を書いていた時、実は感じてしまっている自分がいた。

私の文章で(エロ小説だけれど)、受験勉強のモチベーションが上がるなら、続きを書いてみようかな。。。

果たして、次の模試でタクマは予告通りW 大学合格判定でB、合格圏内まで成績を上げた。

「西崎チューター!俺、やったよ!見て見てこの結果。」

チューター室の入口で、タクマが大声を出す。

「はいはい。。。もう知ってるから。」

私は廊下に出で、苦笑いをしながら、改めてタクマの差し出す判定用紙に目を通す。この調子なら、本当に合格できるかもしれない。

声を落として、タクマが囁く。
「玲子さん、約束守って。うんと刺激的なやつ......。」

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