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幻の果てに……
第8章 バッドエンド編

◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
カウンターでカクテルを呑む。
“あの店”は変わらないままで、平日の夜でも人が多い。
卓也が去ってから半年後、遠回りしてマンションを見に行った。
私達がセックスに使っていた部屋は別の家族が住んでいて、ベランダには小学生らしき男の子の姿。
そこが元セックスのための部屋とは知らずに借りたんだろう。
思い出の場所を見てから、この店に来た。
相変わらず人がいるということは、世の中にセックスだけの相手への需要が多いということ。
私だけじゃない。
ここを知らなくて、悶々としている人も多いはず。
「隣、いい?」
来店して30分ほど。声をかけて来たのは、青年に見えるような背の高い男性。
「孝弘(たかひろ)です。30歳。どうかな?」
「どうだろう。35歳でもよかったら、少し話してみない?」
冗談交じりに答え、私からテーブル席へ誘った。
「梨央です。夫が単身赴任中で、淋しいの。ハードなSM以外だったら、大体大丈夫。複数でも……」
小声で言うと、孝弘が少し驚いた表情になる。
「慣れてるんだね。何人と寝たの?」
「内緒」
笑い合ってから店を出て、ラブホテルへ。
シャワーを浴びてから濃厚なキスを交わし、バスローブを脱がし合う。
「んんっ……」
耳元や首すじ。乳房にも舌が這い、乳首を愛撫された。
「あんっ、はぁっ」
会ったばかりも男性からの愛撫に乱れる。
これが本当の私。
幻の中だけで、本当の自分になれた。
「あぁっ、んんっ」
クリトリスを舌で弄られ、孝弘の髪へ手を遣る。
快感が徐々に広がっていき、ゾクゾクするこの感覚。
手放したくない。
たっぷりと愛撫を受け、彼の塊を受け入れた。
「あぁんっ、はぁっ」
「梨央っ……」
この時だけは、私は彼のもの。
何をされてもいい。気持ち悦くしてくれるなら。
グラインドが繰り返され、中が熱くなっていく。
「あっ、あぁっ」
孝弘は見た目より凄かった。
テクニックも、性器の大きさも。
「あんっ、もっとぉっ、はぁんっ」
「梨央っ、いやらしいね……っ。最高だよ……っ」

