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幻の果てに……
第9章 ハッピーエンド編
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
二ヶ月が経ち、帰宅した夫が彼は部屋の様子を見て驚いていた。
「どうしたんだ? これは……」
リビングには取り込んだ洗濯物が散乱し、キッチンも洗い物で溢れている。
幻ばかりを追いかけた末、私は完全に現実から逃げるようになっていた。
二階を見てきた夫が、リビングのソファーに座った私を見つめる。
「梨央。何があったんだ?」
二階も同じ。床は、脱いだ衣類で足の踏み場もない。風呂場もそう。掃除をしていないせいで、自分で見るのも嫌なくらいの汚れ。
それを我慢して、シャワーだけ浴びていた。
「梨央?」
夫は優しく問いかけてくれた。それに涙が零れる。
近付いて来た夫に、立ち上がって抱き付いた。
「抱いて……。もっと、ちゃんと……。子作りの、ためじゃ、なくて、愛して、欲しい……」
私が幻を求めたのは、喉の渇くような欠落感のせい。
何度幻を見ても、すぐ現実に引き戻される。
それに空しさを感じた。
愛して結婚した夫。彼が私の支え。
やっと、それに気付かされた。
「梨央……」
夫は、私の手を引いて二階の寝室へ行く。
かろうじて何も載っていないベッドに座り、優しいキスをされた。
夫が急いでスーツを脱ぐ。
私も服を脱がされ、ベッドへ寝かされる。
今度は深いキス。
舌を絡め合い、同時に乳房を揉まれた。
「はぁっ……。んんっ……」
本当に欲しかったもの。
それは目には見えない、“愛情”というもの。
首すじを這う舌に体が震える。
どれくらい振りだろう。夫からこんな愛撫を受けるなんて。
「あっ……」
あの店で男性達に言われた通り、私は飢えていた。
愛情に。
それは、セックスでは誤魔化しきれない。
「はあっ」
乳房を何度も吸われ、チクリとして痛みで跡を残していく。
ちゃんと愛してる。
それを証明するように。
「あんっ」
乳首を吸われ、ビクンと体が跳ねた。
どれだけ他の男性と寝ても、夫の愛撫は覚えている。遠い昔でも。
「あぁっ」
丁寧に乳首をしゃぶられながら、指がウエストを辿って秘蕾へ。