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泥だらけのお姫様
第10章 【番外編】幼女な姫と優しい王子
「ん。大丈夫だよ。聞いてたし。お風呂、入ろう? 入れて……あげるよ? 少しずつ治せばいいから。ここ、狭いからさ、寝室のダブルベッドでこれからは一緒に寝よ? 俺、毎日、見てあげるし、何回、失敗しても嫌になんかならないから。壊れた心ってさ、そう簡単には治らないから。茶化したり、言いふらしたりしないから」

「ごめんなさい、ダメな母親で」

「そんなことないって……ほらっ、風邪引いちゃう」

 全てが可愛いと思う。愛おしいと思う。嫌いになんてなれなくて、むしろ、どんどん惹かれていく。母さんにあんな態度をとり続けた父さんも、母さんを捨てた男の気持ちも俺には分からない。俺が欲しいものをすんなり手に入れた。それが羨ましかったし、俺の大切な人を傷つけたことが憎らしい。

 一人で入れるからって言ったけど、大丈夫だから、何も気にしないでって無理矢理お風呂に入れた。

「やべぇ……」

「優希……?」

 俺の勃起したものに驚く母さん。あの頃よりもスタイルがキレイで見惚れる。

「ごめん、こんなこと言ったら嫌われるかもだし、家、追い出されるかもだけど、俺、母さんのことずっと好きだったんだわ。母親としてじゃなくて、女性として。嫌だったら、拒否して? もし嫌じゃなかったら、俺の……触って?」

 嫌われたらどうしよう。そう思うと男なのにぽろぽろと涙が零れ落ちた。
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