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監禁束縛〜裏切りと暗殺者の最期〜
第1章 裏切りと怪しげな男
丑三つ時に閑静な住宅街をフードを被った背の低い少女が歩いていた。
全身黒い姿の少女は闇夜に紛れていて誰も気付かない。
しばらく歩き続けた後、少女は人気のない路地裏に足音を立てず入っていった。
そこには不潔そうな男が一人、煙草を吸いながら壁に寄りかかっていた。

「おじさん、こんばんは」

その男に話しかけるとフードをとった。
少女の顔が露わになる。
真紅のセミロングの髪にくりっとした瑠璃色の瞳の美少女で年は10代前半に見える。
幼い可愛らしい笑顔で男に微笑みかけた。

「なっ!?なんだよ、お前…って、ガキか。驚かせんなよな」

男は少女を見るなり警戒したが相手が自分よりも下の子供だと分かるとふんっ、と鼻を鳴らした。

「おじさんこんな所で何やってるの?私とお話しない?リン、一人でつまんないの」

リンと名乗った少女は誘惑するように男に擦り寄った。

「お、俺は別に……って、よく見たらめちゃくちゃカワイイじゃねぇか。ゲヘヘ」

男は下品な笑みを浮かべている。

「ん?リンって…あの殺人鬼と同じ名前じゃないか。ついてねぇな、お前も」

擦り寄ってきた少女を抱き寄せると男は煙草を地面に捨て足で火を消した。
そのままリンのお尻を服越しに撫でる。
少女は一瞬身を捩ったが抵抗する素振りは見せない。

「殺人鬼?なにそれ?」

「なんだ知らないのか。まぁガキは知らんだろうな……この界隈を騒がしてる殺し屋だよ。何でも悪人を狙ってるらしくて騎士団も住人も見て見ぬふりをしてるし」

騎士団というのはこの国の治安と秩序を護る警察のような組織である。

「へえー、殺し屋さんだなんてリン、こわーい」

レンは男に抱きついた。

「うおっ!?ゲヘヘ、だ、大丈夫さ…ソイツは悪人しか狙わねぇらしいし」

「そうなんだぁ。それじゃあおじさんは?悪い人じゃないの?」

「俺か?俺は善人だよ、がははっ」

「………へぇ、善人…ね」

リンは瞬時に冷たい目になると腰にある刀を抜いて男の心臓を突き刺した。

「ぎゃああぁぁー!!」

男の断末魔が響き渡った。

「なっ、ガバッ…」

男は信じられないといった表情で前屈みに倒れ痙攣した後に絶命した。
男は目を見開いたまま泡を吹き動かなくなった。
血溜まりが広がっていく。
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