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狼に囚われた姫君の閨房録
第16章 池田屋事件(後編)
「秘技・烈風!」
私を取り巻くように、風が渦を巻いた。黒髪が翻り、目が赤くなった。
私は懐剣を握り締め、空中に跳んだ。正確には、空中に瞬間移動した。
稔麿の真上から、強い渦巻きとともに刃を打ち下ろす。
水平に身構えた刀で、稔麿は受け止めた。風圧でやや後ずさったが、懐剣もろとも私を壁際まで吹き飛ばす。
「なかなかの腕前と言っておこう」
稔麿の刀の切っ先が、私の胸元に突きつけられる。まとう空気が凍るほど冷たかった。
「だが、俺の相手をするのは百年早い」
切っ先が私の襟元を切り開く。乳房がぽろっと出た。すかさず、稔麿は乳首をくわえた。
「くうっ……うっ……う」
舌で乳暈をたどられ、私は力が入らない。稔麿の唾液に、催淫剤が溶かされているかのようだ。
乳首に愛咬がくわえられる。私は弓なりになった。
「いや、うぅ……」 
感じてしまう。そんな場合じゃないのに、体が愛撫に応えてしまう。
稔麿が腰巻きの下に手を忍び込ませる。早くも、そこは濡れていた。
溢れる蜜で、稔麿の手をしとどに濡らす。
「ぐっしょりだな」
稔麿は私の両脚を押し広げた。 
びしょ濡れの女唇が雄を誘うようにひくついている。女の芳しい香が雄心を刺激する。
稔麿は花びらを開いて、突起を舌で舐めあげる。私の体が跳ね上がった。
「はうっ」
「準備万端、か」
稔麿の野太い巨根がそこにあてがわれる。一気に押し込まれた。
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