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狼に囚われた姫君の閨房録
第20章 歳三と山南の対立
「……っ!」
主計と利三郎が三樹三郎を祇園に連れて行ってから、約半刻後(一時間)。屯所をなぐりつける雨に混じって、怒鳴り声がした。
(何?誰か残っているの?)
一人で夕餉をとっていた私は、箸を止めた。
宴には隊士はみな出席だ。総司も加わっている。伊東派に労咳を知られたくないらしく、元気に出かけて行った。
「留守居の山崎どのかしら?」
だが、山崎烝は大声を出すような男ではない。私は食事を中断すると、燭台を手に自室を出た。
庭も廊下も真っ暗闇である。釣り灯籠は灯っているが、微々たるものだ。
燭台のわずかな灯りを頼りに、私は広間へと向かった。
そこだけ、灯りがかすかに洩れている。人の気配もする。 
また、怒声が響いた。
「うるせえ!」
これは歳三の声?祇園に行かなかったの?
「何が、聖域だ?その聖域で、坊主共が何してると思ってやがる!?」
「西本願寺が長州藩の浪士を匿ってることは知っていますよ」
答えているのは、山南か。
「おかげで池田屋事件では桂小五郎を取り逃し、我々は煮え湯を飲まされることとなりました」
「よくわかってるじゃねえか。その西本願寺に新選組の屯所ができたら、どうなると思う?長州藩は西本願寺を頼れなくなるよなあ」
「それに異存はありませんが、仮にも仏閣。血生臭い我々新選組が立ち入るべきところではありません」
「血生臭いだあ?今、なんて言ったよ?オジキ!」
歳三が山南につかみかかったようだ。揉み合った二人が障子を破って飛び出してきた。
私は慌てて歳三にしがみついた。
「おやめください!これは何事でございます?」
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