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狼に囚われた姫君の閨房録
第20章 歳三と山南の対立
「どうしたことでございます?副長と総長がいさかいなど……」
この時私は歳三の袴にしがみついていた。頭の中に歳三が話しかけてきた。
(そのまま、続けろ。伊東甲子太郎が天耳で会話を聞いてるはずだ)
天耳とは、遠くの会話を聞き取る術だ。だが、祇園は島原より遠く、豪雨で声はかき消されるのに。
(伊東の耳はずば抜けています)
私の心に答えたのは、歳三に胸ぐらを掴まれたままの山南だ。
(私と歳三くんが仲違いしてるように振る舞ってください)
伊東の目を欺くため、演技しろということか。それは瞬時に理解できたが、
(心話を聞かれたらまずいのでは?)
そう確認すると、
(安心しろ。伊東に心話は使えねえ)
歳三がそう告げた。改めて、声を張り上げる。
「オジキはおかしいんだよ。すみれを新選組の所有だと言ったり……こいつは物じゃねえ!」
「鬼副長とも思えぬ言葉ですね。すみれさんは我々の伽をさせるため、連れてきたのですよ。それなのに、彼女を抱くのは君と原田くんと沖田くんに斎藤くんくらいのもの。これはどういうことですか?」
「女を玩具にするのは不賛成だって、あんたが言ってたからだろうが」
「それは……」
「平助も新八も似たようなことをぬかしやがった。だから、すみれに夜の相手をさせなかったんだよ」
そうだったのか。それで、私は新八や平助の相手を務めたことがないのだ。
いやいや、今はそんなことを言ってる場合ではなかった。
「いい加減になさいませ!」
私は甲高い声で叱咤した。これくらいの声なら、祇園にも届こう。
「ケンカの因は屯所を西本願寺に移すことでございましょう。私のことはどうだっていいじゃありませんか!」
「よくはありません!」
山南は声を荒げてはじき返した。
「私はね、歳三くんにはもはやついていけないと言っているのですよ!!」
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