この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
狼に囚われた姫君の閨房録
第30章 総司、危篤に陥る
「熱が下がらない……?」
総司危篤の知らせを受けて、私は病床を訪れた。すっかり痩せ細った総司は、額に濡れ手拭いを乗せて寝ていた。
慶応四年の正月。京では、鳥羽伏見の戦いが開始された。
総司が体調を崩したのは、その直後であった。
「今宵が峠となりましょう」
総司の胸に聴診器を当てていた良順が呟いた。
総司のはだけた胸は薄く、肉がすっかり削げ落ちている。呼吸も浅く、速い。
「肺が炎症を起こしています。解熱剤を飲ませましたが、一両日熱が下がらなければ、あるいは……」
「……あるいは?」
「お覚悟……あるように」
私はその場に座り込んだ。今の総司には肺炎に耐えられるだけの体力がない。
『僕が死ぬときは戦場だよ』
口癖のように、総司は言っていたのに。斬り合うことなく、逝ってしまうの?
「手前は近藤どのを診るのでいきますが、姫は……?」
腰を上げる良順に、
「……このまま、います」
私の声が震えた。
「最期ならば……せめて看取りとうございます。戦場の兄たちの代わりに……」
鳥羽伏見の戦いの戦況は芳しくないと聞いている。倒幕派は銃で武装しているそうな。大砲も西洋式の巨きなものだという。
どう頑張っても、私は戦力にはならない。ならば、やれることをすべきだろう
/277ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ