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狼に囚われた姫君の閨房録
第31章 新選組、敗走
波の音と潮の香りが漂う夜半。
円窓からのぞける星空が煌き、空気は凍てついて澄んでいる。
半刻(一時間)前に布団に入ったのに、私は眠れずにいた。
海の上なので、船内が寒い。
何回か寝返りを打っていると、
「……どうした?寝れねえのか?」
横の寝台から、言葉が投げられた。歳三である。
「少し、寒くて……」
「こっちに来い」
「いえ……ご心配には及びません」
「いいから、来いよ」
歳三は布団をめくって、隅に体を寄せた。
こうなっては、逆らえない。私はそっと、歳三の傍に身を滑り込ませた。
「氷みたいじゃねえか」
歳三は私の腰を抱いて引き寄せた。
歳三の懐は温かかった。歳三の脚が絡んできて、私を温めてくれる。夜着越しに包まれた乳房が少しずつ熱くなる。
(あったかい……)
全身に歳三の体温が染み渡る。
「山崎どのに真相を聞きました」
歳三と向き合って抱き合いながら、私は言った。
「亡き父がそのような難題を試衛館に命じていたなんて……私の存在が兄上さまたちを歴史の渦に巻き込んだのですね」
「それは違うぜ」
歳三は喉の奥で笑うと、私の唇に自分のそれを重ねた。熱くて、激しい口づけ。
「大老の命がなくても、俺たちゃ、京に上ってた筈だ。お前のことはとっかかりに過ぎねえ」歳三の吐息がうなじを這う。
私はビクッとした。私の感じるところを、歳三はよく知っていた。
「聞かせてやるよ。流派の違う俺たちがどうして試衛館に集ったか……」
歳三は私を組み伏せながら、ポツリポツリと話し出した。
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