この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
狼に囚われた姫君の閨房録
第35章 総司と左之助の死
【第三者視点】
雑木林を駆け抜けていたすみれと新八は足を止めた。夜風にまぎれて、総司と左之助の声がしたのだ。
(世話になったね、すみれちゃん、新兄さん)
これは総司の心の声か?
(俺らは先に逝くけどよ、あとは頼んだぜ)
これは左之助だろうか?
二人の声は高い銀河へと吸い込まれていく。
「……兄上さま」
すみれは悲しそうに新八を見やった。
新八は涙を乾かす様に瞬きを繰り返した。
「急ぐぞ」
「あ…はい」
「泣いてる暇はねえ。あいつらの思いを無駄にするわけにゃいかねえよ」
「でも、どうしてですか?どうして、こんなことを……」
すみれは勇の首を盗む理由を知らなかった。
答えようかどうしようかと新八が逡巡した時、大勢が近づく気配がした。
木立に松明が見え隠れしている。かなりの大人数だ。
「追っ手か」
新八は舌打ちすると、風呂敷包みの近藤の首をすみれに渡した。
「あいつらは俺が引きつける。おまえはそれを持って試衛館に行け!」
「でも、試衛館は……」
試衛館は勇の実家である。新政府軍に狙われるのではないかと、すみれは思ったが、
「心配するな。試衛館には結界が張ってある。新政府の奴らには破れねえよ」
新八はガッツポーズをすると、声を張り上げた。
「新政府軍のボンクラども!俺はここだ。捕まえてみな!!」
そして、すみれのいる場所とはまったく別方向に走り出した。当然、追っ手もまとめてそちらに向かう。
(頼んだぜ、すみれ!)
/277ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ