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狼に囚われた姫君の閨房録
第36章 伊東を新選組に迎えたわけ
試衛館は板を打ち付けて封鎖されていた。庭も雑草だらけだ。
義母のお常や娘の珠子は日野の佐藤彦五郎宅(歳三の義兄)に身を寄せている。
(お父上さまの首は床下にしまえばいいかな?)
と私が考えた時、
「来ると思ったぜ」
すぐ真後ろで声がした。
私は驚いて飛びすさり、鞭の端を掴んで伸ばした。
「鈴木三樹三郎かっ」
伊東甲子太郎の弟・鈴木三樹三郎だった。油小路の変で、まんまと逃げ延びた平助の仇!
「何をしにきたのじゃ?」
「怖い顔すんなって。ちっとばかし、聞きてえことがあってな」
「答えることなどないわ」
「つれねえな。首を隠すなら天井の方がいい。来な」
鈴木三樹三郎はさっさと囲炉裏の広間に向かった。
三樹三郎は欄間にかかっていた槍で天井をつつき、はめ板の一枚をずらす。私から包みを奪うと、勢いをつけて天井裏に飛んだ。
「結界が弱まってるな。まあ、かなり死んだしな」
そう呟くと、三樹三郎は発光した。
檸檬色の透明な温かい光が天井裏に満ちた。結界を強めているのだ。
一通り終えると、三樹三郎は身軽に飛び降りた。
「これで、新政府軍の連中は指一本触れられねえ」
「そなた、どうして……」
「あ?」
「なぜ、我らを助ける?新選組を憎んでいたのではなかったのか?」
「それはこっちが聞きたいぜ。おまえらこそ、なんで俺を見逃した?」
三樹三郎の紫水晶の双眸の奥が光った。
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