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狼に囚われた姫君の閨房録
第39章 鶴ヶ城の悲劇(後編)
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どのくらい、ぬかるみで気を失っていただろう?
竹子に続いて私も銃で撃たれたが、幸いこめかみを掠めただけらしい。
(う……)
こめかみを押さえて、私はどうにか起き上がった。
辺りは暗い。空には、銀河が広がっていた。
目の前に、眠っているような竹子の遺体。
合掌した私は目を閉じた。
「兄上さま……お側に」
瞼の裏側が白くなった。自我が抜け、時空間の細波に身を委ねる。
私は風になる。風になる。風に……
瞬間移動した私の目に映ったのは、斎藤一を狙う銃口だった。
「やめて〜っ!」
私は敵の背中を無我夢中で薙刀で斬りつけた。弾丸は逸れ、一がすかさず敵を一刀両断にした。
「すみれ、お前は……!」
一は呆然と私を見た。
「なぜ、きたのだっ」
「お許しください。兄上さまとご一緒に……」
「お前は人の気持ちが分からぬのか!?」
わかっている、一は私を死なせたくないのだ。でも、それでも、私は……
「お許しくださいませ」
そこまでいった時、
「すみれ、しゃがめ!」
近くで声がして、私は反射的に身をかがめた。
肉と骨が切断される鈍い音が頭の上でした。敵兵士の生首が空を飛ぶ。
「何、二人の世界に浸ってる?ボヤッとすんな!」
三樹三郎だった。血に塗れた太刀を一振りした。
「きちまったもんは仕方ねえ!敵さんがお待ちかねだぜ」
私たちは無数の敵に囲まれていた。一と三樹三郎が私を前後で守る体勢に入る。
私は薙刀に力を注いだ。特殊能力を見せたくはないが、この際、仕方ない。
「すみれ、俺から離れるな!」
一の言葉に、三樹三郎が被せた。
「覚悟はいいな?」
「はいっ!」
竹子に続いて私も銃で撃たれたが、幸いこめかみを掠めただけらしい。
(う……)
こめかみを押さえて、私はどうにか起き上がった。
辺りは暗い。空には、銀河が広がっていた。
目の前に、眠っているような竹子の遺体。
合掌した私は目を閉じた。
「兄上さま……お側に」
瞼の裏側が白くなった。自我が抜け、時空間の細波に身を委ねる。
私は風になる。風になる。風に……
瞬間移動した私の目に映ったのは、斎藤一を狙う銃口だった。
「やめて〜っ!」
私は敵の背中を無我夢中で薙刀で斬りつけた。弾丸は逸れ、一がすかさず敵を一刀両断にした。
「すみれ、お前は……!」
一は呆然と私を見た。
「なぜ、きたのだっ」
「お許しください。兄上さまとご一緒に……」
「お前は人の気持ちが分からぬのか!?」
わかっている、一は私を死なせたくないのだ。でも、それでも、私は……
「お許しくださいませ」
そこまでいった時、
「すみれ、しゃがめ!」
近くで声がして、私は反射的に身をかがめた。
肉と骨が切断される鈍い音が頭の上でした。敵兵士の生首が空を飛ぶ。
「何、二人の世界に浸ってる?ボヤッとすんな!」
三樹三郎だった。血に塗れた太刀を一振りした。
「きちまったもんは仕方ねえ!敵さんがお待ちかねだぜ」
私たちは無数の敵に囲まれていた。一と三樹三郎が私を前後で守る体勢に入る。
私は薙刀に力を注いだ。特殊能力を見せたくはないが、この際、仕方ない。
「すみれ、俺から離れるな!」
一の言葉に、三樹三郎が被せた。
「覚悟はいいな?」
「はいっ!」
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