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狼に囚われた姫君の閨房録
第45章 局長命令!すみれを殺せ!!(その一)
【山南視点】
陽射しが強くなった。白く霞むのは陽炎だろうか?
そこから現れたのは、血まみれの清河八郎!幕府を裏切り、見廻組の佐々木唯三郎に斬られた漢!!
「化けて出ましたか。冥土へ送ってあげましょう』
「きさまこそ、念仏を唱えるがいいわ!』
陽炎からもう二人現れた。
芹沢鴨と新見錦。暗殺された時の阿修羅のような姿。
腰の大小を抜くと、私は肩をすくめた。
すみれが彼らを蘇らせたのか。一人で三人もの手練れを相手にしろというのか?
(やってくれますね)
だが、やるしかない。
先手必勝である。私は二刀流で三人に斬りかかった。

どのくらい刀を振るっただろう?
もう夢か現かわからない。
疲労が限界で息も苦しい。体中の傷は無数である。 
三人もの腕利きを相手に戦うなど、無謀だったのだ。
「……などと、弱音を吐くとおもいますか?』
言いながら、私は清河八郎を撫で斬りにした。首が血飛沫を上げて転がった。
「私の死因は切腹。あなた方は戦った上での闘死。元の体力が違いますよ」
「こちらの体力が尽きることを狙ったのか。姑息な』
「ふふ、残念でしたね」
新見錦を袈裟懸けにすると、芹沢が鉄扇を肩に乗せて近づいてきた。
「頭が切れるのは変わらんな」
「恐縮です。褒められついでに、伺いますが……」
「なんだ?言ってみろ」
「あなたたちはすみれさんに操られたのですか?それとも、自分の意志で?」
「それは……」
どこからか、白刃が飛んできた。芹沢の胸を貫いた。
芹沢は突っ伏し、煙のように消えた。
「おじさん、大丈夫か?」
平助だった。小走りに駆け寄ると、手拭いを私に差し出す。
「ありがとうございます。藤堂くんはやられたと思いましたよ」
「心配かけてごめんだぜ」
「無事で何よりです。急ぎましょう」
手拭いで全身の血を拭いながら、私は先に立って歩いた。
「歳三くんたちが待っていますね。合流しなければ」
「なんか、焦ってるね。らしくないと思うけど……」
「焦ってはいないですが……のんびりしてもいられませんので」
「じゃなくてさ、敵に背中を見せるのがらしくないよ」
「敵?」
私が反応したのと、背中に衝撃があったのが同時だった。一太刀で斬られた?
崩れ落ちる私の耳にすみれの声が届いた。
「愚かな男よ。身内に甘すぎるのがそなたの弱点。なぜ、藤堂が死んだことを気付きながら、無事だったなどと思い込んだのじゃ?」
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