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狼に囚われた姫君の閨房録
第48章 最終章!局長命令・すみれを殺せ!!(その4)
【一視点】
「どうなってるんだい?」
総司が噴石で穴だらけの城下を眺めて舌打ちした。
富士山の噴火が止まらないのか、爆音が轟き続ける。天守閣の足元がそのたびに揺れた。
「歳三兄さんがお父さんごとすみれちゃんを斬ってから、状況がわからないや」
小馬鹿にするようにフッと微笑うと、三樹三郎は漆喰の壁にもたれた。
「一番組の組長が頭が悪いとは知らなかったぜ」
総司がそちらを睨んだ。
「なんだって?」
「いきなり心話が途絶えて音沙汰なしなんだぞ。近藤や土方がすみれにやられたに決まってるじゃねえか」
「うるさい!」
「っていうかよ、お前もわかってんだろう?だから、苛々してんだよな」
「うるさいってば!」
総司は刀の鯉口を切った。
「それ以上軽口叩くと、手は見せないよ!!」
「よせ、総司」
階段に腰掛けた俺は口早に口を挟んだ。少しずつ闇が階を這い上ってくる。
「争っている時ではない。待ち人が来たぞ」
言った瞬間、天守が緊迫感で満ちた。そして、凄まじい殺意と敵愾心。
「池田屋以来の高揚感、たまらないね」
総司が刀を抜き、三樹三郎は柄に手をかけた。
「お前らの親玉もだらしねえよな。すみれの首は俺がもらうからな」
「なんで、あんたが?」
「あいつの良人だからな。妻の罪は良人の罪。落とし前はつけなきゃいけねえよ」
「祝言もあげてないくせによく言う」
「そんなもの後で挙げりゃいいのさ、あの世でな」
言うなり、三樹三郎は漆塗りの階段を駆け降りた。
総司も手すりを飛び降り、三樹三郎を追いかける。
「待ちなよ。先を越そうったって、そうはいかないから」
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