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狼に囚われた姫君の閨房録
第48章 最終章!局長命令・すみれを殺せ!!(その4)
【斎藤一視点】
「そなたは行かぬのか?斎藤」
すぐ後ろで声がした。確かめずとも、修羅のすみれだと分かった。
「お前を待っていた」
立った瞬間、俺の背中に叩きつけられたすみれの殺意。
俺は振り向きざま抜き打ちで薙ぎ払った。
すみれの血飛沫が弧を描く。手応えもあった。
だが。
「甘い!」
嘲笑う声と共に、天井が落ちてきた。
(釣り天井か!)
俺は瞬間移動しようとした。が、跳べなかった。
体が重い。足に枷がつけられたかのようだ。
体の肩から脇腹にかけて斜めに鮮血が溢れた。
俺がすみれを斬ったところだ!
「身代わりか……しかし!」
俺は歯を食いしばった。
それは左之助と新八との戦いで見させてもらった。この俺に同じ手が二度も通じると思うな!
俺の体が透明になるのを感じる。そして念じた、遠くへ遠くへと。
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