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狼に囚われた姫君の閨房録
第12章 新見錦の粛清
一や総司が新見粛清に向かうと、私は裁縫道具を押入れから出した。一の着流しの裾がほつれていたので、繕おうと思ったのだ。

一刻(二時間)ほど経った。
枝折り戸が開き、井戸の釣瓶を落とす音がした。
(お戻りになったのだろうか?)
私は縫い物を置くと、草履をつっかけて庭に出た。月明かりの中、井戸端で水を浴びる人影を見た。
「兄上さま?」
呼びかけると、頭から水をかぶっていた人物が桶を持つ手を止めた。
「すみれか?」
「左之助兄上さまですか?」
檸檬色の月光が左之助の雄々しい顔立ちを照らした。下帯もつけていない体は水に濡れて映えていた。
「もしや、お怪我を?」
流れた水が真っ赤なのを見て、私は息を呑んだ。今夜は左之助率いる十番組の見回り当番だった。
「ただの返り血だよ。賊とやりあってな」
左之助は体を手拭いで拭って笑った。
「黒装束と覆面で顔はわからなかったが、ありゃ、平山五郎たちだな」
「平山五郎?芹沢派の!」
「間違いねえよ。新見錦が粛清されるってんで、足止めをしようとしたんだろうさ」
私の顔が翳った。
左之助は私の頭を撫でた。指先に髪の毛を絡めていじる。
「心配すんな。兄貴たちのことだ。うまくやるさ」
「ええ」
「それよりもよ」
左之助の腕が私の腰を抱き、うなじに熱い吐息を寄せた。 
「血を浴びたから、昂ぶっちまってよ。鎮めてくれねえか?」
言われた瞬間、私の足の間がうずいた。痒いような甘いうずき。私に断る余地はない。
「わかりました」
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