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狼に囚われた姫君の閨房録
第13章 芹沢鴨暗殺
空中に真っ赤な血が飛び散った。
「ぐわっ!」
「うお〜っ!!」
四人は吹き飛ばされ、壁や天井にそれぞれ叩きつけられた。
「今度は私がお相手つかまつります!」
うなじの出血は止まった。私は懐剣を握り直した。
「お待ちなさい。よく見るんです」
山南が私を制した。芹沢の方に顎をしゃくる。
見ると、額から鮮血を流した芹沢鴨が仁王立ちしていた。
「思った通りです。この男は自動的に攻撃を返していたわけではない。逐一反応して、攻撃を返していたのです」
「攻撃の都度、反応して?」
私は息を呑んだ。
兄たちの攻撃の素早さは並みではない。目で追うことすら叶わない。
それをいちいち反応していたと?
(なんという身体能力なのか……!)
「さすが、山南。よくぞ、見破った」
芹沢は口の中に溜まった血をペッと吐き捨てた。
「これでも、新選組の軍師ですからね。これくらいの知恵は働かせませんと」
「反撃開始だな。芹沢鴨、局中法度により、粛清する!」
歳三が大声を張り上げた。
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