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狼に囚われた姫君の閨房録
第15章 池田屋事件(前編)
「殴り込みってやつだ。腕がなるぜ」
新八が野太い指をぼきぼきと鳴らす。
「お上の御用改めだ。喧嘩ではない」
冷ややかに、一が嗜める。
そこへ、山崎烝が音もなく廊下を渡ってきた。
「報告します」
中には入らず、山崎烝は入り側に手をついた。
「容保公におかれましては、『古高俊太郎の件、了承した。所司代には藩から連絡を入れておく』との由」
「よっしゃああっ!好きにやっていいってこったな」
平助が歓声を上げ、拳を突き上げる。
「これで、踏み込む大義名分はできたわけか。明日は忙しくなるぞ」
歳三も懐から地図を取り出して、床に広げた。みんな、それを覗き込む。
池田屋と四国屋は三条大橋のたもとにあり、さほど離れていない。
「池田屋には親父と新八、総司に平助。四国屋には俺と一、左之助が行く。おじ貴とすみれは屯所で待機だ。いいな?」
「おう!」
「わかった!!」
「しゃあっ!」
「待ってください!」
口々に叫ぶ義兄たちの間から、私は口を挟んだ。
「私も、お連れくださいませ!!」
「何、冗談言ってやがる?遊びに行くんじゃねえんだぞ!」
歳三が眉を吊り上げる後から、山南も言いつのった。
「芹沢鴨を暗殺したときとは訳が違います。手練れが何人もいるところに飛び込むのです。皆とて、生きて帰れる保証はありません」
「だからこそです。兄上さまたちが命の危険に晒されるのに、私だけ安全圏にいるのは嫌です!」
「俺のいうことが聞けねえってのか!」
「まあまあ、歳。すみれがそこまで言うなら、池田屋に一緒に行こう」
怒鳴りつける歳三を父が穏やかに制した。
「そのかわり、お前は外の見張りだ。決して、中には入るな。わかったな?」
「はい」
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