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スカーレット オーク
第46章 46 同窓会
 同窓会の日がやってきた。

「もういく?母さんはそろそろ颯介のとこへ行っちゃうけど」
「まだいるよ。鍵かけておくから持って出て」
「わかったわ。じゃいってらっしゃい」
「いってきます」

 時間を見ると六時だったが歩いて十分足らずなので気にせず出かけた。

 会場の『シフト』に到着する。
この店は直樹が子供のころからあって当時は同級生、三上の父親が経営するジャズバーだったようだが、今ではタコスの美味しい多国籍レストランになっていた。
フロアは広くたまに結婚式の二次会や新年会などのパーティにも使われるようだ。
中学の同級生は四十五名なのでちょうど良い会場かもしれない。
自動ドアが開くとすぐに会場だ。

「お、大友」
「やあ」
「お前おせーよ」
「お久ー」
「まだ揃ってないだろ?」

 数名と口々に挨拶をかわす。まだ全員揃ってないようだ。

「おーい。みんな席についてー」

 どうやら揃ったところで乾杯するらしい。
六人掛けのテーブルが十席ほどあるが直樹は適当なところへ腰を掛けた。
乾杯の音頭があがり幹事が挨拶をしたが、もう誰も聞いておらず料理と酒と交流に費やされていた。

「よお大友。お前今何やってんだ?」
「キコリ」
「結婚は?」
「まだ」

 だいたいこんなやり取りだ。――どこに居てもこんな感じだよな。
 男女問わずほとんど既婚者と離婚者で純粋に独身なのは直樹くらいだった。
双方、「結婚はいいよ」「早まるな」と、相反する話を直樹にしてくるのだった。
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