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スカーレット オーク
第11章 11 デート
 自分の好みばかり押し付けているとは思ったが、こういう関係でデートと言っても何をしたらよいのかやっぱりわからず、かといってすぐ離れるのが寂しかったので一応、計画しておいたのだ。
「このホテルは駅に近い場所みたいだね。さっき調べたんだけど」
 タブレットを出してさっきのマップを見せた。
「ああ、こんなところなんだ。美術館もすぐそこです」
「前に行った美術館と近いんだね」
 大友は把握できたのでタブレットを閉じてニットを着た。
――あ、ハイネックがお揃いだ。モスグリーンがよく似合ってる。

 緋紗はラブホテルから堂々と出るのもちょっとどうなのかなと思ったが、キョロキョロすることもないので努めて普通にしていた。
幸い誰にも会わなかった。
「こっちだね」
 土地勘がないはずなのに大友はどんどん歩き、迷わず最短距離で目指す美術館に到着する。

「近かったね」
「ほんとにこんなに近かったんだ」
「入ろうか。時間もちょうど良さそうだ」
「はい。あ、入場券はもうありますから」
「ありがとう」

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