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第12章 たくさんの顔を持っている私

父と母も毎日のように来てくれた
あれだけ怒っていた父も孫にはデレデレだった
もちろんお兄ちゃんも
病院にいる時からイクメンを発揮していた


退院の前日、
「この子を産んでくれた奈美を全力で守りたいと思ってる。
だから、ＳＭ、ロリコンとかって言葉はもう終わり
もう、普通の夫、パパになる」

「お兄ちゃん、私がしてほしいってお願いしても？」

「もちろん」

「絶対？何があっても？一生？」

「きっとしないと思うよ……」

「きっと？」

「絶対にしないよ」

「淋しいな……
奈美はしてほしいのに……」

「しないつもりだけど、奈美がどうしてもっていうなら考えても良いけど……
でも、俺はしないよ」

「………」
俺は本当にしないって決めたみたい
すごく淋しかった
絶対に返事なんかしたくなかった

私が退院してから
家のこと、暖人のこと頑張ってくれるお兄ちゃん
私にずっと甘々なお兄ちゃんにたくさん甘えた

次第にお兄ちゃんは……
優しいＳ男になってしまった
私はメス犬に戻り、お兄ちゃんに淫乱変態奴隷と名付けられた
調教とはほど遠い、甘々な調教を受けている

私達夫婦は暖人のお父さんとお母さん。そして、血の繋がった、お兄ちゃんと妹だから兄妹夫婦として過ごしていく

だからお兄ちゃんは
　　いつまでも私だけのお兄ちゃん