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感じさせて
第7章 帰り道
何回か
私がシンくんに
駆け寄ると


シンくんが
歩幅を狭くして
振り返り
私を見た




「ごめんなぁ、うさちゃん
俺、歩くん早いねん…つい…

あ、そーや
寒いしな、誰も見てないし…


えぇやろ?」



シンくんは
私の腰に手を回して
脇腹をキュッと
引き寄せた



「う…うん……」



握られていた手が

さみしくなってしまったけど



少し

歩きにくいけど





でも…うれしかった





「うさちゃん

この先にな
ベンチあるから

そこで、あったかいコーヒーでも
飲もか?」



「うん」



顔を見て
返事をしたかったけど

なんだか照れくさくて
下を向いたまま返事をした



「あ、コーヒーは
あかんやったなぁ」



「うん…」



シンくんは
コーヒーが
飲めないことを
覚えてくれていた




うれしい






こんな


こんな些細なことが





どうして


うれしいのか

わからないけど





私の目には





涙が

潤んだ






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