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感じさせて
第4章 マッサージ
ひとり洗面所に向かい

お化粧をなおす




鏡の中の自分を見ると




急に罪悪感に襲われた




トオルと

やり直したいのに

どうして…こんなこと…




どうしよう…こんなこと…




お化粧も直さず

ただじっと鏡を見つめた


ただじっと

鏡の中の自分を見ていた




自分の本心を

探るように…




「うさちゃん、どうしたん?

なかなか出てこんから……

大丈夫?気分でも悪い?」



シンくんは

そっと私の様子をのぞいてから

ゆっくりと私に近づいた



「だ、大丈夫。」



「そぉかぁ、それならいいんやけど」



シンくんはそう言いながら

私の後ろに立ち

背中から

私を抱きしめ

甘えるように

髪に顔をすり寄せた



「もう…帰らなあかん?」


「うん……そうね…」


「いやや…」


「でも……」


「いやや、もっと

一緒におりたい…」



「…でも…」



「旦那さんが、帰ってくるん?」



「……えぇ……」



「旦那さんが好きなん?」



「………」



「うさちゃんの好きな人、誰?」



「好きなのは……トオルよ……

主人の名前なの…」




本当のことは

言ってはいけない気がした



シンくんを

好きになっていた



と、思う



でも



それを口にしては

いけない気がした



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