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第4章 許嫁理由

くりんとした長いまつげにはっきりとした二重は正統派美少女そのものだが、柔らかい輪郭が子供っぽさを残しており、妖しげなまでの美と真っ白な無垢が同居していた。

長い黒髪はサラサラで、風に舞うと神秘的な美しささえ感じさせる。

発育段階の身体もその少女とも大人の女ともつかない容姿に更にミステリアスで禁断の魅力を追加していた。

「はい……紫水様は私の前世の主でもあります。紫水様のご命とあらば、このリリアーノ、慶んで伴侶となりましょう」

芝居がかった言葉と動きを見て紫水も流石に若干引いたが、それもこの子の持ち味と解釈してにっこりと笑った。


梨華の唯一信頼する有馬紫水の恩に報いるため、梨華は有馬翔太と結婚することを誓った。
それは西尾梨華の人生観全てを賭けたものとなったのだった。