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大魔王の子を孕みます
第13章 女神



「そんなに怖がらないで…、シロちゃん。ちゃんと優しくしてあげるから…。」


俺に催眠術を掛けるように、ゆっくりとセラフが言う。

全身に力が入らない。


「セラフ様…。」


メフィストだけが緊張した声を出しミルが心配そうに俺を見る。


「大丈夫…、息子が選んだ女王におかしな事はしない。少し2人で話がしたいだけだ。」


そう言うとセラフが俺をライズと同じようにお姫様抱っこする。

身体が全く動かない。

この人からはライズと同じ匂いがする。


「さあ、行こうか…。」


ふわりとセラフが宙へと浮く。


「飛んで…る…。」


少し怖くてセラフにしがみつく。


「うちのライズ君も飛べるよ。飛んで貰った事はないの?」


セラフが笑いながら話をする。

一度だけ…。

あれは飛んだというよりも、あの巨大な大魔王屋敷を飛び越えたという方が正しい気もする。


「ライズなら…、貴方に会う為にジンと城に行きましたよ。」


ライズに会うはずのセラフが俺と居る事に警戒する。

それに、このオッサン…。

チャラいし、手が早いし…。

この魔界で色々なものに犯されかけた経験がある以上、馬鹿な俺でもセラフのように露骨なナンパ男には用心してしまう。

用心はしてるけど…。

セラフが優しい瞳で俺を見る。


「あまり高く飛ぶと怖い?」


俺の耳元でライズに似た声で囁く。

ドキリとする。

浮気するつもりは無くともライズと勘違いしそうになる。


「怖いです…。」


勘違いするのが怖い。

俺って惚れっぽい?

最近、どんどんと心が女の子になってると感じる。

つまらない事でライズにトキメく時間が増えた。

目が覚めた時に俺を抱き締めてる裸体に…。

俺が起きるのを待ってましたとばかりに爽やかな笑顔で


『起きたか?おはよう…。』


と言ってくれる言葉に…。

そこから始まる深いベロチューキスに寝起きから溶かされる自分にドキドキする。


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