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大魔王の子を孕みます
第13章 女神



「神々の復活って…、新たな勇者が生まれたって…、なんでだよ?なんで、そんな状況になってんだよ!?」


5千年も前に終わった戦いがまだ続いてるとか俺には到底信じられない話になる。


「この5千年…、ライズ君は母親が殺されたこの街を嫌い、魔族の森にある屋敷にずっと引き篭ってる。自分の身の回りの者も自分で身が守れる最小限の者しか連れてない。この街は大魔王に見捨てられた街だと考えてる人間が出て来てもおかしくないという事だ。」


セラフが疲れた表情をする。

この街を…。

彼女が愛した街を大魔王でなくなったセラフが守って来た。

現在の大魔王は嘘吐きの人間を見捨てた。

だから、あの広い屋敷にメフィストとリリスしか居なかった。

愛馬であるガーラもライズは召喚で呼び付ける。

それがライズの守り方…。


「次にライズ君が暴走すれば誰にも止められず、この世界は破壊されて終わるかもしれない。」


セラフの言葉に鳥肌が立つ。

ライズが暴走する時…。

即ち、俺が勇者に殺される時…。

次の女王に選ばれた女の噂は既に持ち上がってる。

次の大魔王を産ませまいと勇者は俺を狙って来る。


「君はそれでもあの子と居る覚悟があるのか?シロちゃん。」


セラフの気持ちが伝わって来る。

ライズが俺を愛した分だけ俺に何かあれば暴走が止まらなくなる。

俺にも、自分の身を守る覚悟が必要だと教えてくれてる。


「俺はライズの魔力が使えるの?」

「シロちゃんがライズ君をちゃんと感じてるのなら、体内のライズ君の魔力を感じてるはずだ。」

「あー…、俺、頭悪いから、そういうの苦手かも…。」


自信がない。

俺は心のどこかで迷ってる。


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