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大魔王の子を孕みます
第13章 女神
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ライズは好きだ。
でも、ライズが怖い…。
俺はライズの母ちゃんみたいに強くない。
ライズが暴走すれば、きっと逃げたくなる。
今だって、ライズの過保護から時々逃げたいとか考えちまう。
それよりも、ライズに嫌われるのが一番怖い…。
俺はオタクで普通の女の子のように可愛くライズを悦ばせる事すら出来ない。
ライズの母ちゃんがセラフに愛を教えたように、ライズに愛を教えられるほど俺自身が愛を知らない。
「セラフ…。」
泣きそうになる俺の頭をセラフがよしよしと撫でてくれる。
「あの子は今、ジン達を連れて勇者狩りに出てる。」
「勇者狩りって…。」
「シロちゃんを守る方法は、それしかないと思ってるからね。」
一歩間違えれば、ライズの母ちゃんが愛したこの街が全面戦争になるかもしれないとセラフが言う。
勇者を倒しても、また次の勇者はきっと現れる。
その前にライズがブチ切れたら全ての世界を破壊しかねない。
俺がライズを止めなければ…。
その前に勇者を名乗ってる奴にライズに歯向かうのは無駄だと説得しなければと思う。
「ガーラは城に居るの?」
セラフにそう聞けば
「城の特別な厩に居るよ。」
と答えてくれる。
覚悟を決めなければならない。
ライズの子を産むつもりなら、俺がその子を守る覚悟が必要だ。
勇者になるってそういう事だ。
大魔王を倒せば勇者になれる訳じゃない。
ライズの母ちゃんのように自分が愛したものを守れる者が勇者になれるのだ。
「ライズの母ちゃんってすげー人だな。」
勇者だった彼女を尊敬する。
「あれは私の女神だ。」
セラフが懐かしげに、そして自慢げな笑顔を見せる。
そうだ。
人は何にでもなれる。
俺だってライズの為の勇者になれるはずだ。
目指せっ!勇者っ!
この世界に来た目的を思い出してライズの為にと勇者への道を進み始めていた。
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