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蕾は開き咲きほこる
第12章 昔のキミも今のキミも

「痛て~じゃねぇか、何すんだ!!」

「何すんだじゃないよ。店先で品のない事言うんじゃないよ!!」

「まだ何も言ってねぇじゃないか」

「私が止めなきゃ言ってただろう!」

二人は絶妙なタイミングで言い合い、その光景が何だが微笑ましくて今までのイヤな気持ちが一気に薄れていった。
ふたりのやり取りを笑って見ていると、そんな私に気が付いた奥さんは、取り繕うように笑う。

「本当にごめんなさいね、下品な事を言って。この人、悪い人ではないんだけどこういう商売やってると口が悪くなってね。これに懲りずにまた店に来てやってね」

何度も頭を下げる奥さんの横では大将はフンと鼻を鳴らしそっぽ向く。
その大将の態度に奥さんは眉をピクピクとさせながら思いっきり大将の足を踏んでいた。

「痛ってぇなぁ~!!!人の足踏んでんじゃねぇよ、お前の足は怪獣か」

「その怪獣に惚れこんで嫁にしたのはどこのどいつだい!!えっ??」

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