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蕾は開き咲きほこる
第16章 桜の下で
自分からフッた話だけど、それ以上の想いを言葉にされ恥ずかしさから目を背けてお弁当に手を付けた。
そんな私を見てほほ笑んだ光春さんは、何もなかったかのように手に持っていた煮込みハンバーグを挟んだパンを食べ始めた。
何度も何度も美味しいと言いながらお弁当の中はあっという間に空になった。

「コーヒー淹れますか?」

「そうですね……お腹いっぱいですので、もう少し後にしましょう。今日は天気もいいので……」

そう言った光春さんは身体の向きを変えてゴロンと転がり、私の膝に頭を乗せた。

「一度、こうやって桜を見上げてみたかったんです。しばらくの間このままでいいでしょうか?」

「あっ、はい、大丈夫です」

下から見上げられて恥ずかしかったけど、甘えてくれているようで嬉しくもあり、それからお互いに手を繋いで満開に咲く桜を下から眺めて時を過ごした。

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