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第22章 嫉妬

「では、汐里は、私に対して嫉妬したことはありますか？」

光春さんの腕の中で幸せに浸っていると、小さく、とても小さく呟いた。
嫉妬……
考えてみれば光春さんに対して嫉妬した事はほとんどない。
桜子さんや悦子さんにモヤモヤした気持ちはあったけど、それはつきあう前だから嫉妬とは思えない。
付き合いだしてからは、光春さんが女性と親しく話しているところを見たことがないから嫉妬するまでには至らない。
というか、これだけ愛されていると実感させてくれる光春さんに嫉妬するはずもない。

「ない、ですね」

「それはよかった。嫉妬というのは心を蝕みますからね。しないで済むのならしないほうがいい」

光春さんの言う『心を蝕む』という意味が分からなかった。
言っている事が分からないというように首を傾げる。

「分からないのなら分からないほうが良い。このまま私に愛されて幸せの中にいればいいんですよ」

そう言ってキスを交わし、光春さんの愛情を一身に受け止めるた――……