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蕾は開き咲きほこる
第22章 嫉妬

「うれしい、ですよ。私は」

「嬉しい?」

私の言葉に驚いたように目を見開いていた。

「はい。それだけ私のこと思ってくれているという事ですよね。自分が好きな人にそれだけの思いでいてもらえるって素敵な事だと思います。――……私には好きな人ができても同じだけの気持ちで返してくれる人はいないと思っていたから……」

男性が苦手だった私。
話すことも触れることも苦手だった私が人から、それも異性から好かれるとは思ってはいなかった。
だから、私は一生独身で、女の喜びも知らずに人生を過ごしていくと思っていた。

「だから、嬉しいんです。嫉妬するということは、それだけ大切に思ってくれてると思うから」

「汐里……」

私の話を聞いた光春さんは少し安心したかのように微笑んで、私を抱きしめてくれた。
その腕はとても優しくて暖かくて、こんな腕の中ならば閉じ込められたいとさえ思ってしまう。

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