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蕾は開き咲きほこる
第23章 告白

「気持ちは、うれしかったです」

私の言葉に、羽間さんの肩がビクッと震えたのが見え、手に持っているコーヒーの缶を握りしめるのが分かった。
もしかしたら、私が断るのを察したのかもしれない。
断って傷つけるかもしれないと分かっていても、私が一番に優先するべき人は光春さんで悲しませたくはない。
そう思うと、自分でも驚くほどはっきりと断ることができた。

「ごめんなさい。今、好きな人がいるんです。なので、羽間さんの気持ちには答えられません……本当に、ごめんなさい」

深々と頭を下げて付き合えないことを告げた。
私の答えに羽間さんがどういう反応を示すのかと、ドキドキしながら待った。
だけど、羽間さんから帰ってきた言葉は思いもよらない答えだった。

「それって……課長?」

「えっ?」

驚いた私は返事もできずに顔を上げて羽間さんを見つめることしかできなかった。
それが肯定と取られたらしく羽間さんは苦笑い。

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