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蕾は開き咲きほこる
第24章 それぞれの一歩

「桜子さんたちが美味しいと言ってくれるだけで十分です。食べてくれる人の笑顔を思い浮かべられるから作りたいって思うんです」

身分相応と言う言葉があるし、それを分かっているつもりだ。
光春さんとつきあえて、桜子さんという友達ができた今が最高に幸せで、これ以上望めば贅沢だと思う。

「そうなの??勿体ないわね」

「まぁまぁ、考えは人それぞれだし、桜子がとやかく言う事じゃないよ」

どこか納得いかない表情の桜子さんに長野さんが助け舟を出せば、長野さんに言われると桜子さんも渋々だけど引いてくれた。

「それよりもっ!!ケーキを持ってきたんです。お酒もいいですけど食べませんか?」

話を変えたくて、持ってきてたケーキを保冷バックから出して4人の目に前に置いた。
それを見た瞬間、桜子さんがはちきれんばかりに瞳を見開いていた。

「これっ……」

「そうですよ。あのお店のケーキですよ」

桜子さんが何に驚いているか分かっている光春さんは静かに答えた。

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