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蕾は開き咲きほこる
第24章 それぞれの一歩

「お昼から飲めるなんて幸せっ!!」

缶ビールを半分程飲み干した桜子さんはご満悦のように唸っていた。

「本当、お昼から外で飲めるって最高。光春くん、ごめんね」

「いえいえ、私はこれで楽しめますからお気になさらず」

光春さんはノンアルコールビールを私たちに見せてゴクッと一口飲んでみせた。

「そう言うのなら遠慮なく飲ませてもらうよ」

長野さんは光春さんの言葉を受けて少し申し訳なさそうにビールを飲み初めだ。
だけどアルコールが入れば申しわけないという気持ちが消えうせ、日本酒やワインまで飲みながら酒盛りが始まった。
と言っても桜子さんと長野さんだけが飲んでいるだけで、私はまだ缶1本を飲み干していない。

「やっぱり、桜子さんの料理おいしいです」

「ありがとう、でも、汐里ちゃんのパンも美味しいわよ。本当にお店やったらいいのに」

毎回行言ってくれる言葉だけど、お金を貰えるだけのモノではない。
せいぜい趣味の範囲で、目の届く範囲の人が美味しいと言ってくれればいいと思っている。

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