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美女の身影
第24章 危険な誘惑(1)

佑奈との旅行はいたって順調だった。
渋滞などに巻き込まれることもなく目的地まで難なく到着し、観光名所を回る。
彼女が横にいるだけで、全てが輝いて見えた。
彼女と歩いているとやたらと通行人からの視線を感じる事に気づく。
当然その視線は佑奈だけではなく、横にいる黒井にも向けられる。
あまりにも不釣り合いな男が隣を歩いていて、笑われてはいないだろうかと黒井は不安になる。
佑奈はその視線を気にしていないようだった。
それどころか黒井との会話に集中し、風景を見て目を輝かせている。
時折白い歯を見せて笑ってくれて彼女も楽しんでくれているように思った。
ひとしきり観光を終えた頃、そろそろかという時間になっていた。
そろそろかというのは旅館へ向かうかという事だが、黒井は一抹の不安があった。
旅館に宿泊することが決まって黒井が主体となって宿泊先の予約やプランの選定を行ったのだが、佑奈には殆ど相談せずに決めてしまったのだ。
佑奈に愉しんでもらいたい、喜んでもらいたいと使命感のようなものを携えて旅館選びをしたが、
「そもそも予約するのは一部屋で良かったのだろうか」
と数日前から疑念が生まれていた。
同部屋でいいというのは、黒井の勝手な願望からくる解釈だった可能性はないか。
何しろ一度交際を断られているのだ。
このようなしっかりした女性が交際前の男と同部屋で泊まるなどよくよく考えると、考えられないような気がするのだ。
彼女からすると当然別々の部屋に泊まると思っているかもしれない。
「旅館楽しみです。どんなところかなぁ」
と助手席でニコニコと話す佑奈を裏切る事になるかもしれないと黒井の胸内はネガティブな考えに満たされていく。
もし拒絶されたらとりあえず彼女一人で泊まってもらって、自分の寝床は別で考えるしかないなと黒井は考えていた。
渋滞などに巻き込まれることもなく目的地まで難なく到着し、観光名所を回る。
彼女が横にいるだけで、全てが輝いて見えた。
彼女と歩いているとやたらと通行人からの視線を感じる事に気づく。
当然その視線は佑奈だけではなく、横にいる黒井にも向けられる。
あまりにも不釣り合いな男が隣を歩いていて、笑われてはいないだろうかと黒井は不安になる。
佑奈はその視線を気にしていないようだった。
それどころか黒井との会話に集中し、風景を見て目を輝かせている。
時折白い歯を見せて笑ってくれて彼女も楽しんでくれているように思った。
ひとしきり観光を終えた頃、そろそろかという時間になっていた。
そろそろかというのは旅館へ向かうかという事だが、黒井は一抹の不安があった。
旅館に宿泊することが決まって黒井が主体となって宿泊先の予約やプランの選定を行ったのだが、佑奈には殆ど相談せずに決めてしまったのだ。
佑奈に愉しんでもらいたい、喜んでもらいたいと使命感のようなものを携えて旅館選びをしたが、
「そもそも予約するのは一部屋で良かったのだろうか」
と数日前から疑念が生まれていた。
同部屋でいいというのは、黒井の勝手な願望からくる解釈だった可能性はないか。
何しろ一度交際を断られているのだ。
このようなしっかりした女性が交際前の男と同部屋で泊まるなどよくよく考えると、考えられないような気がするのだ。
彼女からすると当然別々の部屋に泊まると思っているかもしれない。
「旅館楽しみです。どんなところかなぁ」
と助手席でニコニコと話す佑奈を裏切る事になるかもしれないと黒井の胸内はネガティブな考えに満たされていく。
もし拒絶されたらとりあえず彼女一人で泊まってもらって、自分の寝床は別で考えるしかないなと黒井は考えていた。

