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墜ちてイク~性奴隷妻は羞恥指令に躯は溺れて……。
第13章 チャプター13
 郁美がベッドから身を起こそうとすると、「いや、いい」と鎖ピアスの男に制止された。
「どこ? どこに、隠しているの」
「ベッドの下――枕側に」
 鎖ピアスの男がベッドの下に躯を入れた。ごそごそとしばらくの間、していたがやがて、両手で抱えられるぐらいの大きさのプラスチックのケースを出してきた。蓋を開けると、意味ありげに郁美を見た。
「へ~郁美ちゃんって、そういう趣味、あったんだ」
 と言って、鎖ピアスの男はアナルディルドーを取り出した。見せつけるように、大きく振ってみせた。
 郁美は途端に顔面が紅潮するのを感じた。ディルドーはネット通販で手にいれたもので、アナルの周辺を刺激することはあったが、実際に挿入することはなかった。夫の隆一に、アナルを開発されるところを妄想しながら、オナニーをするだけで、それなりの快感を得ることができるからだ。
「ヘンタイだね。じゃ、郁美ちゃんはアナルセックスもOKなんだ」
「そ、そうです」
「因みに、旦那さんはこのおもちゃのことは、知ってるの?」
 ベッドの上にローターやバイブレーター、それにディルドーを並べながら、鎖ピアスの男が訊いてきた。
「ーー知らないと思います」
 それは、嘘だった。いつだったかーーもう、かなり以前のことになるが、玩具を収めたボックスの位置が微妙にずれていることがあった。それも、一回きりではなく、数回に渡って。
 おそらく、隆一も玩具の存在に気づいてはいたのだろう。が、その直後も隆一とのセックスの内容は変わることはなかったし、もちろん、正面から玩具について尋ねられたこともなかった。
 夫とのセックスに満足することができず、玩具を用いて自分を慰めている妻のことを、隆一がどう思っているのかーー正直、わからなかった。淫乱な女と思われたのか、自分のテクニックが不足していると思ったのか、それとも、隠れてオナニーをしている郁美のことを想像して、興奮しているのか、さっぱり考えを読むことはできなかった。
 こと夜の生活については、ふたりとも互いに踏み込まないようにするのが暗黙の了解になっており、隆一が外に女を作っているため、郁美のそういった性癖に関心がないのか、彼女にもわからなかった。
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