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朏の断片‐ミカヅキ ノ ダンペン‐
第3章 #2


「初デートはどこ行くのかなぁ。楽しみだなー」


まるで自分が行くかのように、ウキウキとしている美希を見て上田も少し明るい気分になった。

こんなふうに美希が何かに興味を持ってはしゃぐことはもう何年もなかったような気がする。美希が楽しそうにしてくれるならどんな無茶でもするかいがあるというものだ。


「今度ソイツの家に行くことになった」

「え?自宅デート?」

「……そういうのもデートっていうの?」


これまであんまり色恋沙汰に興味がなかったせいで、上田にはよくわからない。が、日頃から少女漫画をよく読む美希は目を輝かせていた。うっとり手を口元の前で組んで空を見上げる。


「いきなりキスとかされちゃうかも……!」

「……もうされた」


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