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マッチ&マリッジ教師
第2章 ふとうこう
「今からちょうど3年前の春休み、小5のときね。わたし、アイドル男子のファンサービスキャンペーンに行ったの」

みゆきが、話し始めた。

「終わった後、わたし、そのアイドル男子の部屋に呼ばれて、エッチすることに」
「襲われた、とか?」
「違うの。わたしから乳尻裸になって、誘ったの」
「すごいね?」
「うん。わたし、エッチにすごい興味があって、体験したくて」

みゆきが、話を続けた。
「するとね、彼がこういうの。
<え?いきなり?きみ、おかしいよ。まずはテレビ電話でやりとりして、関係を深めて、それからだよ?>
わたし、ビックリして…」
「うーん、でもね、それが現代社会の常識なんだけど、なー」

それはだいぶ昔、僕が生まれる前のことだが、世界中におかしなウイルスがまん延し、人間同士の物理的な接触の機会が減らされ、インターネットによる人間関係構築が常識になった。
テレビ電話が本格導入されて、それが普通の会話手段になった。
今は、人間同士の接触が可能になっているが、その習慣の名残で、初対面との関係はまずテレビ電話で最低3か月間は付き合い、リアルに会うのはその後というのが礼儀になった。
今回のマッチ&マリッジ教師にしても、中2の女子生徒全員(みゆきを除く)に3か月前からテレビ電話を使ったコミュニケーションが図られていた。
ちなみに僕は、テレビ電話で女子生徒と話す前に
「ユウジ先生は、話し相手として選択されていません」
という感じであったが。

「わたし、おかしいのかなあ?人との相性なんて、リアルに触れてみないとわかんないじゃん…。テレビ電話だけでは、決められないよ~」
生まれた時から、まずテレビ電話で関係を3カ月続けてというのが頭にこびりついている僕には、よく分からない。
「ま…、そういうのも、あり、かな?」
と生返事をするしかない。
「でしょ~?エへへへ~♡」
みゆきの表情が崩れ、エロ顔になる。
「ユウジ、最高~♡わたし、ユウジのお嫁さんになる~♡」
「え…?おうッ???」
僕は驚き、そして、非常に喜んだ。
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