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あの時のあの人
第3章 彼と……
「これ、この前のお金です。
本当はお礼もしないとならないのに……
いつか必ずお礼させてください」

私は
「お礼なんていらないです。
それにそのお金があったら困った時に使えるので、持っててください」

「でも……」

「私は、きっとここから離れることはないと思います。自分に余裕ができたらまた会いにきてください
私は、その方が嬉しいです」

こんなことが言えるなんて自分でもびっくりだった

「わかりました。ありがとうございます。頑張って返すようにしますので」
私とは逆方向に歩き出す彼
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