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Gemini
第6章 知らなかったこと
「やっ…だめっ!」

私はルカの頭を押さえて、なんとかつかないようにする。ルカはクイッと首を曲げて、また太ももに唇が触れた。

(そこなら…平気…)

キスマークをつけようと吸われる感覚も、だんだんと気持ちよく感じるようになってきてしまった。

「カナデ、これ脱がしていい?」
そう言いながら、手はもう私のTシャツの中に入ってハーフパンツを下ろそうとしていた。

「だっ、だめっ!」
床についていた足を持ち上げてなんとか阻止しようとするものの、ルカはもう足の間に入り込んでいる。

「もっとちゃんと触れたい」
「ルカ…」
「もう少しだけ……お願い…」
ルカの目はいつになく真面目だった。

「ホントにこれだけ……だよ?」
私は、そう口にしていた。

ルカの唇がまたあの悪戯な笑みを浮かべたのをが見えた次の瞬間には、頭を抱えられて唇が重なっていた。
(あぁ…また…このキス…)

柔らかな舌が私の唇をなぞり、じっとりと濡らされる。ルカの舌が入ってくると、誘われるように私の舌が迎えに行ってしまう。ルカのTシャツを掴んでいた手からはいつの間にか力が抜け、ルカの肩に乗っていた。

「J'ai envie de toi.」
ルカが私の頬骨の辺りにキスをしながらそう言ってたけど、当然どんな意味かなんて分からなかったし、何よりもう頭なんて働いてなかった。

私のまぶたに移動していたルカの唇を、顔の向きを変えて追いかけた。私の気持ちを察知したのか、また唇が重なった。
私の体をなぞってたルカの手は、ハーフパンツを脱がしていた。部屋着で着ていたダボダボのTシャツまで、キスの合間に脱がされてしまった。

ブラトップとパンツだけになった私は目を閉じたまま、増えた露出部分の全てにルカのキスを受けた。
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