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二人の彼に囚われて【目覚め】~偽りの花嫁は真実の恋を知る~
第8章 心の迷宮
「その娘はその時、十一歳で私より一つ年上だったから、もちろんまだ正式な女官ではなく見習いだった。俸禄はすべて実家に送っていると話していた。逢って話す度に、優しい良い子だと思って、惹かれていったんだ。最後に逢ったのは四度目だったかな。その時、私は彼女のことを母上に話すつもりでいた。そろそろ世子嬪を迎える話が出始めていたゆえ、意に添わぬ、好きでもない高官の娘と見合いさせられる前に彼女を好きな女性だと宣言するつもりでね」