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第5章 涙の初夜

　　　涙の初夜



　礼曹参判の娘シン・ミナの入内は六月最初の吉日と卜され、その通りに行われた。





　当日は午前中に嘉礼(カレ)が行われた。ミナは正室として迎えられたわけではなく、立場は側妃である。王の祝言は何も正妻たる中殿相手だけではなく、側室との間でも行われることは多かった。新しい妃がちゃんとした両班家の娘であれば、尚更、けじめの儀式として嘉礼は行われるものだ。