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瀬音とボクとよしみくん
第35章 デート②
「あ?」


「そ、そ、それってど、ど、どういう?」


「どういうって、そのままんだろ」


「え、おっ、な?」


「たくっ、どうした?」


どうしたって、瀬音くんが急に変なことをいうから。


ボクは顔を真っ赤にして、なんにも考えられなくなった。


「……でも、でも、これって大事な券なんでしょ?」


きっと、瀬音くんのお父さんとお母さんのデートなんだよね。
それを、使っていいのかな?


ううん、それより、


「そもそも、ボクのことを許してくれないと思う」


「は? どういう意味だよ」


「大事な息子が、こんなボクと付き合ってるって知られたら、絶対反対される」


間違いない。


「反対されたって、かまわねぇよ」


瀬音くんは真っ直ぐボクを見る。


そして、優しくハグ。


もう。


それだけで、すべてがうまくいくような気がする。


「ま、でも反対はしないだろうけどな?」


「え、そんなわけないよ」


誰だって反対するよ。


どこからくるの、その自信は。
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