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第5章 素顔の君

カンナが…嫌がらせ？




それも・・・オレと

付き合ってる事が原因で？






それ・・・どういう事だよ？






頭がぐるぐると……ごちゃごちゃと

回転するかのような感覚の中で




オレは…この間

弟に当たりちらした自分を思い出す




妬み・・・やっかみ





自分が〃劣等感〃ばかりなオレは

まるで無頓着だった




人より出来るヤツには

オレとはちがう

そいつならではの悩みや

辛さがあるってことに。






〃決めつけられる〃

〃レッテルを貼られる〃



悪い意味で

その辛さを知ってるのに、オレ




オレは…

オレこそが・・・カンナを決めつけてた




カンナは勉強も運動もできて優秀で

友達も沢山いて

ケチのつけようのない子だ、って




何不自由なくしてる……って




オレは…周りのヤツらもすべて

オレと同じように思うものだって

無意識に・・・

カンナに対して決めつけていたんだな





だけど

〃光と影〃があるように




カンナにだって

そんな光ばかりじゃない



そういう現実を

バカなオレは…この時

初めて知って

目の当たりにしたんだ。





カンナを妬ましく思う

そんなヤツがいるのも

冷静に考えれば

ある種、世の中の自然な事





でも、だからってさ





なんで・・・






なんで・・・オレなんかのことで

カンナが・・・







『っ・・・』




オレは…今度こそ

カンナの仲間を振り切って

走り出していた