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第6章 夢をみる・・・

『カンナは・・・さ

誰のために、頑張るんだよ？』






深い意味なんか・・・なかった




ポロっと出た

オレの純粋な質問だ





皮肉でもイヤミでもなく


オレには本当にわからないから




知りたかったんだ

カンナの

その純粋な気持ちを







『え？・・・うーん・・・？？』







将来のため？


偉くなるため？


金のため？




両親や兄弟、家族のため？




成績のため？


先生に褒められるため？









オレは、聞いておきながら


カンナから

そんな答えが返ってこない事は


どことなく

わかっていたんだ








『カンナは・・・なんで

看護師になりたいんだよ？』







ただの

興味本位だったのか、なにか

オレにもわからない







『やっぱり・・・あたし』





『・・・？？？』







『この世に生きてるなら

困ってる人を……助けたい』







『・・・』






『誰かを助けたり・・・なんだろう

人に・・・喜んでもらえる

そういう仕事をしたいって

思ったからかな・・・』





『・・・』





『って・・・それって

別に看護師でなくてもいいんだけどね

うーん・・・』






『ふふっ……そっか♪』








『誰のために、って・・・それは

きっと結局は〃自分のため〃なんだよ

何事もね・・・

私は・・・私のために頑張るんだ』







『・・・』







『せっかく……生まれてこれたから

この世に、生まれてきた私たちには

きっと…みんな、それぞれに

なにか〃役割〃があるの』







『・・・役割…』








『そういう、尊い〃命〃に

触れていたい・・・

そんな気がするから、かな…♪』








カンナは舌をチロっと出して

はにかんで笑った









なんで聞いたのかって？



・・・ただ単純に



カンナの、こういう表情を

オレが見たかったのかもね





夢を語るカンナが

可愛くて・・・まぶしくて

キレイだから