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Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第9章 一瞬を必死に生きろ・・・
『ねぇ、ケイゴ
今日はバイト?・・・それとも』
朝食を終えて
ソファでグースカ寝てるオレを
母さんがさりげに起こした
ちなみにバイトはこの頃には
殆ど行かなくなってた
就職の件もあって
オレはめちゃくちゃ気まずい
そんな気持ちも勿論あったし
店長に嫌な顔されるのも
覚悟してもいたし
最悪クビになる、くらいに
思ってたから
たまに週末出るくらいでも良いよ~
なんて言ってもらえた時には
少し…拍子抜けした
人手不足?
高校生のバイトだし
それを補える程の戦力でもなければ
そんな重要な人材でもない
でも、とにもかくにも
オレは内心ホッとして
そんな恵まれた環境にいたことを
この時に自覚した
有難い、なんて思ったのも。
『ん、いや・・・』
『ちょっと出掛けない?(笑)』
『は?』
なに考えてんだ?
この母親は?
仮にも受験生の息子に・・・
・・・なんて
得意の悪態をつきそうになるけど
『たまには息抜きも大事でしょ?♪』
『・・・』
勢い余って
他人の親を引き合いに出したりしたけど
逆に自分の親が
いわゆる過干渉とかでなくて
良かった、と
こういう、少々ノンキな
放任主義な親で良かった
と、少し思ったりもした。
『今日リョウキ大会なのよ♪
ケイゴも観に行かない???』
『・・・・・母さんてさぁ』
『息抜き♪息抜き』
そう言いながらも
場所を告げて
母さんはさっさと出掛けた
さすが放任主義(苦笑)
出かけるってソレかよ
なんて肩を落として
オレはもう一度寝転んだ
『・・・』
・・・しかし、まぁ
勉強しない∥口実∥にはなるか?
なんて浅い悪知恵が浮かんで?
しばらくしてムクっと起き上がる
『・・・』
つまらなかったら
行って帰ってくるだけでもいいか
家に缶詰めになりっぱなしより
多少動いた方が
ストレス解消ってやつ?
なんかテキトーに理屈を作って
オレはぶらりと家を出た