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Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第9章 一瞬を必死に生きろ・・・
電車に揺られて

大会の会場に向かう



季節はすっかり流れてて

いつの間にか3年になっててさ



早いもんだなぁ、なんて

老け込んだ言葉が頭を過って

オレはボーっと電車に乗っていた。




つまりは、この時、弟のリョウキが

中学3年になってるんだけど


リョウキは

部活じゃキャプテンになったらしくて

新チームでの初めての大会なんだとか



母さんが少し興奮を抑えられなそうに

語ってたのを思い出す







『もしもし~?・・・母さんどこ?』






∥『あー、いたいた!こっちよ』∥





『だから、∥どっち∥だよ・・・(苦笑)』




会場に入って客席を見渡す



向こうが

周りより頭ひとつ飛び出てるオレを

探すのは簡単らしいが(笑)




オレが

客席から身を乗り出している母親

隣で鎮座してた父親の元に

たどり着くには少々時間がかかった





ワーワー…ピャーピャー?



熱気まみれの会場


ボール追っかけて汗流して

何が楽しいのやら、なんて


皮肉が出てきそうなオレにとっては

楽しくもなんともない場所




ひとまず受験勉強は休息だ、くらいに


そう、思って



オレは会場入りして


ボーっとしてた






・・・けど







ザワザワ・・・っ




試合が始まると



会場は、より熱気に包まれて



試合のホイッスルに混ざり

声援や歓声があがる






制服着た応援団やら

セーラー服着た女の子たちから

キャーキャーとあがる歓喜の声




ルールもなにも把握してない


失礼なくらいにボケ~~っと

頬杖ついてたオレの耳でさえ

そんな声をとらえ


その声援や視線の先に

嫌でも目が行った






ピョンピョン飛び上がっては

得点決めて



キャーキャー言われてる



なんか目立ってるヤツがいるなぁ




くらいに観てたんだけど




あんまり試合が盛り上がってるから




チラっと…視線を向けてみた



・・・ら





その会場の熱気と

声援の中心にいるのは





コートの真ん中で飛び上がってるのは





オレの・・・弟だった
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