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Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第12章 花の命・・・
『ぉ・・・かぁ、さん・・・?』




あ・・・



オレとお母さんの話し声が聞こえたのか

偶然目が覚めたのか

カンナの呼ぶ声がした





『・・・カンナ、気がついた?』


お母さんがカンナに答えながら
ドアを開けて、オレを招き入れる





『よ♪・・・ごめんな?起こして』




『・・・』




寝起き…って言うのか

ボーっとして意識がハッキリしてないような

ちょっと上の空なカンナ







『・・・カンナ?(笑)』




ボー・・・っと
オレを見上げるカンナ





『顔…見に来ただけだから、すぐに……』










『・・・誰?』









『・・・は?』





オレは一瞬…思考停止した






『か・・・カンナ・・・??』







『おかあさん・・・この人・・・だれ』





『カンナ・・・っ、なに言ってるのよ』



お母さんが作り笑いしながら
慌てて間に入る





『・・・だぁれ?・・・』






『・・・っ』





カンナが…オレのことを

わからないって・・・言った




『カンナ・・・あのね、』


どうして良いかわからず
戸惑いながらカンナの体を支えるお母さん

そこに・・・



『っ…うるさいなぁ・・・っ

もぉ、静かにしてよぉ…っ

おかあさん・・・っ…ずっと

ピンポン、ピンポン…なりっぱなしで…っ』






『カンナ・・・っ・・・

~ほんとね、誰も出ないのね

困ったわねぇ…・・・』



お母さんは涙を浮かべながら
必死にカンナを抱きしめてうなずいている





ピンポン・・・?



そんな音…どこにもしない。






『・・・ケイゴくん…ごめんなさいね

今日のところは・・・…っ』




カンナを宥めながら
オレの方を見てうったえる





『おばさん・・・』




『ごめんなさいね…っ・・・』





『・・・』


オレはうなずいて
そっと病室を出た





現実は・・・本当に


本当に・・・厳しくて

過酷だった

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